2019年 11月のサロン多摩手箱

2019年11月24日開催

old? boys Beを合言葉に

11月24日(日)。
多摩手箱サロン第6回目が開催されました。
今回は齋藤洋司氏の「老人問題」についてです。

  • 齋藤さんかつて有料老人ホールに勤めていたことから、
    老人問題について深い造形を持ってらっしゃいます。
    そしてそれは他人事ではなく、ご自分の将来の姿も見据えています。

    現在、行われている介護業界の現状には多々問題が多く、
    その実態と要因についても語ってくれました。
    もちろん、そうしたことを解決していくには国や制度などに
    しっかりしてもらわなければなりません。
    そして自分たちにできることは、ともかく健康寿命を延ばすこと、
    コミュニケーションをとって人との繋がりをつくっていくこと……。

    人は誰も同じ。誰にも当たり前に老いはやがてやってくる。
    誰でも人の世話がなければ生きられない…
    と、しみじみ語ってくれました。

  • ▲介護の現場で働いていると、色々な問題にぶつかる。介護の在り方について意見が飛び交いました。

    ▲「介護は愛だ」と話は結ばれました。それは前回語られた大蘆さんとの共通点です。そして報告です。大橋さんの話を聞いて、すでに施設への見学が行われたそうです。このサロンを通じて新しい交流が始まりました。

    ▲私は這ってでも家で生活したいと思っています。今は元気だからそう思うのかもしれません。そのためにも友人や近所とのネットワークが必要になってくるでしょう。人は一人では生きられないからです。今まで出来たことが出来なくなってしまう…年をとるのは寂しいことですが、若い時のイメージを捨て「今を生きる」ことが大切だと思います。

  • ▲いつまで元気で自立していけるか……そのためにも、またこうして皆で会って、 語って…楽しいことをやっていきましょう。

  • 齋藤さんが次の詩を紹介してくれました。

    手紙「親愛なる子供たちへ」
    年老いた私が ある日 今までの私と違っていたとしても
    どうかそのまま私のことを理解して欲しい
    私が服の上に食べ物をこぼしても
    靴ひもを結び忘れても
    あなたに色んなことを教えたように見守って欲しい
    あなたと話す時 同じ話を何度も何度も繰り返しても
    その結末をどうかさえぎらずに うなづいて欲しい
    あなたにせがまれて繰り返し読んだ絵本のあたたかな結末は
    いつも同じでも私の心を平和にしてくれた
    悲しいことでないんだ 消え去ってゆくように見える私の心へと
    励ましのまなざしを向けて欲しい
    楽しいひと時に 私が思わず下着を濡らしてしまったり
    お風呂に入るのをいやがるときには思い出して欲しい
    あなたを追い回し 何度も着替えさせたり 様々な理由をつけて
    いやがるあなたとお風呂に入った 懐かしい日のことを
    悲しいことでないんだ 旅立ちのまえの準備をしている私に
    祝福の祈りを捧げて欲しい
    いずれ歯も弱り 飲み込むことさえ出来なくなるかもしれない
    足も衰えて立ち上がることすら出来なくなったら
    あなたが か弱い足で立ち上がろうと私に助けを求めたように
    よろめく私に どうかあなたの手を握らせて欲しい
    私の姿を見て悲しんだり 自分が無力だと思わないで欲しい
    あなたを抱きしめる力がないのを知るのはつらいことだけど
    私を理解して支えてくれる心だけを持っていて欲しい
    きっとそれだけでそれだけで 私には勇気がわいてくるのです
    あなたの人生の始まりに 私がしっかりと付き添ったように
    わたしの人生の終わりに少しだけ付き添って欲しい
    あなたが生まれてくれたことで私が受けた多くの喜びと
    あなたに対する変わらぬ愛を持って笑顔で答えたい
    私の子供たちへ
    愛する子供たちへ
    この詩は、熊本出身のシンガーソングライター・樋口了一氏の友人、角智織氏の元に偶然届いたチェーンメールに記載されていて、この詩に感銘を受けた角氏が詩を翻訳、樋口氏に見せたところ彼も感銘を受け、曲の制作・発売に至ったそうです。
    ジャケットはタイトルにちなんで、手紙を模したもの。年老いた親の自分の子供へ向けたメッセージが歌われています。元の歌詞はポルトガル語で書かれ、作者不詳(読み人知らず)です。2009年3月3日、日本テレビ系『誰も知らない泣ける歌』に出演、その後のオリコンでは、発売後4ヵ月経った3月16日付け週間シングルランキングで50位にランクイン。それからNHKやテレビ朝日などで特集され、2009年度の日本レコード大賞優秀作品賞を受賞しました。
    2012年2月22日にポルトガル語と英語に訳し樋口氏がセルフカバーしたシングル、「TEGAMI」がリリースされました。
    老いと向き合うこと。親からわが子へ向けた“最後”のメッセージ。その内容からこの歌は“介護の歌”とも呼ばれ、介護や看護の現場に身を置く人々の心の支えになっているそうです。
    http://higuchiryoichi.com/tegami/
  • ▲次回の相談。頂いた山梨ワインで一杯やろうか、ということから…

  • 次回は、「忘年会」です。
    参加者の皆さんとディスカッションしながら、ワインなど楽しみたいと思っています。会費は1,000円です。飲み放題。ソフトドリンクも用意します。

北海道大学のクラーク先生がおっしゃった「boys be ambitious」。
Boy の前にちょこっと old なんて形容詞がついちゃうお年頃だけど、
Ambitious=大志までは抱かなくてもいいけれど、be=行動しよう!
そんな趣旨で始まった多摩手箱サロン。

皆さんのご参加をお待ちしています。
もちろん女性も歓迎です。ここは学びの場であり、話し合いの場であり、 明日への活力を担う‥‥遊びの場です。