作:PLUTO(多摩手箱オーナー)
カメぱっぱのキャラクター:日南田淳子
その他の絵:フリー素材から拝借
切り貼り:笹部裕子(多摩手箱店長)
愛くるしい動物が、お日さまに向かいつぶやいていました。
「ポクは、かめさんたちの集落でも、
カッパさんたちのいる川近くの村に行っても、
お前は仲間ではないと、追い出されるの、
どうして、こんなみにくい姿で産まれたのかな」
ほほえんでいるお日さまが、こたえます。
「どんな生き物も閉じ仲間でいると安心するからな、むりもないよ」
「そんな、不公平だよ、ぼくのようなのは、
これから一人で生きるしかないなんて」
大きな目ン玉から大粒の涙がこぼれ落ちました。
涙が大地に落ち、葉の長い草を濡らしたとき、
野草をかきわけ大きなガマガエルが現れ、大きな声で話し出します。
「こらあ、坊主、ん? 男でいいのか、まあ、いい、俺を見ろ、
こんな姿形でも毎日楽しく生きているぞ、
お前のようにかわいい動物がなにをぬかすか、
すべての生き物はどんな生物で産まれるか選べないのだ。
大事なのは生まれたあと、与えられた命を懸命に生きるということなのよ、
長く生きるものもいるが、数時間、数日でなくなる動物もいるからなケ口ケ口」
かしの木にとまっていた尾長鳥が地面すれすれに降りてきました。
「ふん、ガマのゲ口ゲ口もたまには良いことを言うのね、
いやだけど私もそう思うわ、あんたみたいな素敵な生き物は、
これから楽しい出来事がワンサカワンサ力起こるからね」
「ほんとうにつぼくみたいな、かめでもない力ツパでもない
奇妙なものが生きられるの」
「ピ1 ピi 、あんたはね、かめがもっている、ノ口マでも着実になにかを
なしとげる力と、力ツパのたまにはいたずらもするお茶目な
ユーモアあふれる行動力、両方の良いところをもっ・・・
そう、かめとかっぱ、かめかっぱ、なのよ」
それまでだまって聞いていたガマガエルが、声をだします。
「かめ力ツパ、なんか、そのままゃんけ、
・・・ぱっぱ、ぱっぱ、・・力メぱっぱ、こっちのほうがいいだろう」
「力メぱっぱ・・ピl ピ|、いいわね、それできまりよ」
「あのーぼくの意見はきかないの、ぼくの名前なのに」
その時、お日さまが今まで以上に輝きました。
「いいなあi 力メぱっぱ、お前は今日から力メぱっぱと名乗りなさい。
カエルと尾長鳥のいうとおり、力メぱっばには、たくさんの長所があるから、
これからはそれを生かして他の動物たちと仲良く暮らしていけるよ、
もし、お前をいじめるような不届きなものがいたら・・」
「どうするの、お日さま?」
「それは、ないしよじゃ」
片目をつぶりウインクしたお日さまは、雲の聞に隠れました。
片目をっぷりウインクしたお日さまは、雲の聞に隠れました。
力メぱっぱは、ガマガエルと尾長鳥を探しましたが、どこにもいません。
お日さまに向かって叫びました。
「ありがとう、お日さま。ありがとう、カエルくんとおながどりくん」
おしまい
PLUTOが創作する童話作品“カメぱっぱ”は、
作者のブログで何年にも渡り大切に温められてきました。
そのカメぱっぱのイラストが生まれたのは20XX年。
日南田淳子さんの手により命が吹き込まれました。
そのX年後、モヤさまというTV取材をきっかけに、
紙芝居という目に見える物語が制作されます。
そしてこの紙芝居をもとに、2014年の冬、
ついにオフィシャルの絵本が商品化されます。
この絵本の原型になった紙芝居は、まさに記念すべき作品です。
そんな大切な紙芝居ですが、実はスーパーでゲットしたダンボールに
糊とハサミで切り貼りしてこしらえた、手作り感まんさいの一品。
ちなみにダンボールは「佐賀のなす」。